過去にがんになった経験から医療保険に加入したいという人が多くいます。しかし、一般にがんになったことがある人は健康な人よりも保険に入りづらいという事実があります。過去にがんにかかった人でも加入できる医療保険はあるのでしょうか。
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医療保険は3タイプに分けられる
医療保険は告知事項の厳しさによって3タイプに分けることができます。一般的な医療保険、告知事項が少ない引受基準緩和型(限定告知型)の医療保険、告知事項がない無選択型の医療保険です。告知事項が少ないほど保険料が高く、保障内容にも制限が生まれるので、告知事項が多い一般的な医療保険から順に検討するのが基本です。
一般的な医療保険 | 引受基準緩和型医療保険 | 無選択型医療保険 | |
---|---|---|---|
告知事項 | 多い | 少ない | なし |
保険料 | ‐ | 一般的なものより高い | 緩和型より高い |
既往症の保障 | あり | あり | なし |
保障の免責 | 健康状態によって部位不担保などの条件が付く場合あり | 一定期間は保障額が減額 | 一定期間は保障対象外 |
保障期間 | 定期/終身 | 定期/終身 | 定期のみ |
まずは一般的な医療保険を検討
一般的な医療保険はがんの罹患歴があると加入しづらくなります。ただし、すべての医療保険に絶対に加入できないというわけではありません。基準は保険会社によりますが、最後に治療してから5年経過している、罹患したのが良性腫瘍や上皮内新生物であったなど所定の基準を満たせば一般的な医療保険に加入できる場合があります。一般的な医療保険は引受基準緩和型や無選択型と比べて保険料が安いので、一般的なものに条件なしで加入できるのならそれに越したことはありません。
次の選択肢は引受基準緩和型
一般的な医療保険には入れなかった、部位不担保などの不利な条件が付いたという場合は引受基準緩和型医療保険を検討しましょう。漢字が並んでいるので難しく感じるかもしれませんが、保険会社が契約を引き受ける基準を緩くした保険です。告知事項が限定されていることから限定告知型と呼ばれることもあります。
引受基準緩和型医療保険の場合、告知事項は「はい」か「いいえ」で答えられる3~5項目となっています。例としては次のような形です。
- 現在入院中ですか?
- 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
- 過去2年以内に病気やけがで入院したことや手術をしたことはありますか?
- 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?
こういった内容の質問にすべて「いいえ」と答えることができれば、引受基準緩和型医療保険に加入することができます。告知事項は保険会社によって異なり、ある保険会社では加入できるけど別の保険会社では加入できないということがよくあります。複数の保険会社の資料を取り寄せて告知事項を確認することが大切です。
引受基準緩和型医療保険で注意が必要なのは、一般的な医療保険よりも保険料が割高であり、契約してから一定期間は保障額が半額になる商品が多いということです。既往歴がない傷病についても保障額が半減されてしまいます。しかし、既往症の再発についても保障されるので、過去にがんにかかったことがあるけれども医療保険に入りたいという人には魅力的な商品です。
どうしても入りたいなら無選択型
引受基準緩和型医療保険にも加入できなかったけど、どうしても医療保険に入りたいという場合は無選択型の医療保険という手段もあります。無選択型は健康状態の告知が不要なので誰でも加入することができます。
ただし、無選択型は保険料が引受基準緩和型よりも高く、保障範囲も限定されてしまいます。さらに、契約してから一定の期間は保障されないのが一般的です。そして、既往症については保障されないという制限もあります。がん経験者の場合、がんの再発の心配から医療保険を探す人も多くいるかと思いますが、無選択型ではそのニーズに応えられません。これらのデメリットを理解したうえでそれでも加入したいという場合のみ、無選択型医療保険への加入を検討しましょう。
まとめ
がん経験者は医療保険に加入しづらくなります。しかし、すべての医療保険に絶対に加入できないというわけではないので、医療保険に入りたいという場合はまずは一般的な医療保険への加入を試してみましょう。
一般的な医療保険への加入を断られた、不利な条件が付いたという場合は引受基準緩和型医療保険を検討してみましょう。一般的な医療保険よりも告知事項が少なく、健康に不安がある方でも入りやすくなっています。保険料が高め、一定期間は保障額が半減するなどのデメリットもありますが、がんの再発も保障の対象となるのでがん経験者で医療保険に入りたいという人には魅力的な商品です。健康に関する告知事項は保険会社によって異なるので、まずは資料請求をして各保険会社の商品を比較・検討してみましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。