保険は若い頃に入ると保険料が安くなる傾向にあります。そのため、加入するなら早ければ早いほど良いという考え方もあります。しかし、子供に保険は必要でしょうか?子どもが入れる保険にはどんなものがあるのか、加入する利点だけでなく不要と言われる理由も一緒に確認してみましょう。
目次
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子供が加入できる主な保険
医療保険
「子供に生命保険を」というと大抵は医療保険または死亡保険をイメージしているかもしれません。
子供向けの医療保険は、通常の医療保険と同様にケガや病気が原因で入院や手術をすることになった時に保障をしてくれます。更に、保険会社によっては進学時期にお祝い金が貰えたり、契約者に万が一のことが起きた時に養育年金が貰えたりと貯蓄性も備えている商品もあります。
死亡保険
死亡保険は子供に万が一のことがあったり、高度障害状態になってしまった場合に保険金を受け取れます。
学資保険
子供の教育資金を貯めるために加入する保険です。単に貯蓄性が高いだけでなく、契約者である親や祖父母といった保護者に万が一のことが起きてしまった場合は、以降の保険料の支払いが免除され、満期返戻金を受け取れます。
子供に医療保険は必要?
医療保険に入るメリット
公的医療保険制度でカバーできない部分もある
公的医療保険は入院に伴う細かい出費や、通院に伴う費用は保障範囲外となっているため、民間医療保険でカバーすることがあります。
子供が小さいうちに加入すると保険料が安くなる
年齢が若い方が保険料は安くなるため、早めに入っておくと将来払わなければいけない保険料を安く抑えることができます。たとえば子供が小さいうちは親が契約者となり保険料を支払っておき、成長して独立してからは契約者を子供に変更する等も可能です。
健康診断が不要なので入りやすい
大人が医療保険に加入しようとすると既往歴や現在の健康状態等を細かく申告する必要がありますが、子供は健康診断が必要ないため、加入しやすくなっています。
医療保険が不要と言われる理由
公的医療保険制度と子ども医療費助成制度を利用できる
子供は公的な医療保険制度に加えて、自治体の『子ども医療費助成制度』を利用可能です。
子ども医療費助成制度は、健康保険等に加入している0歳~15歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある児童の保険診療でかかった医療費の自己負担額を自治体が負担してくれる制度です。都道府県では「就学前まで」、市区町村では「15歳年度末まで」とする地域が多く、所得によって全額負担~一部負担になる地域もあります。
住んでいる地域によって対象年齢は変わりますが、助成制度があれば自己負担額はほとんどなく、あえて民間の医療保険に加入しなくても良いと考える人が多いでしょう。
子供は大人よりも入院する可能性が低い
「もしも」に備えて入っておく生命保険ですが、そもそも子供は大人よりも入院する可能性が低く、民間の医療保険にわざわざ加入しても一度も保険を使わなかったというケースも珍しくありません。実際の年齢階級別の入院受療率を見てみましょう。
年齢 | 入院総数 (人口10万人あたりの人数) |
入院率 |
---|---|---|
総数 | 960人 | 0.96% |
0歳 | 1,065人 | 1.065% |
1~4歳 | 134人 | 0.134% |
5~9歳 | 71人 | 0.071% |
10~14歳 | 99人 | 0.099% |
15~19歳 | 123人 | 0.123% |
20~24歳 | 141人 | 0.141% |
25~29歳 | 198人 | 0.198% |
30~34歳 | 246人 | 0.246% |
35~39歳 | 257人 | 0.257% |
40~44歳 | 273人 | 0.273% |
45~49歳 | 345人 | 0.345% |
50~54歳 | 478人 | 0.478% |
55~59歳 | 664人 | 0.664% |
60~64歳 | 895人 | 0.895% |
65~69歳 | 1,207人 | 1.207% |
70~74歳 | 1,544人 | 1.544% |
75~79歳 | 2,204人 | 2.204% |
80~84歳 | 3,234人 | 3.234% |
85~89歳 | 4,634人 | 4.634% |
90歳以上 | 6,682人 | 6.682% |
参考 厚生労働省「患者調査」令和2年
10万人あたりの0歳の入院率は1.065%と総数の平均(0.96%)より若干高くなっていますが、1歳になると急激に下がり20歳になるまでの入院率は0.1%~0.2%程度になります。医療保険は安心のためのお守り代わりに入るという人もいますが、入院する可能性が大人よりも低く、かつ医療費助成制度で自己負担が少ないのでわざわざ入る必要は無いと判断する人も多いでしょう。
子供に死亡保険は必要?
死亡保険のメリット
保険料が安い
終身保険は貯蓄性が高く、払込期間後に解約すると解約返戻金が払込金額の合計を上回るというメリットがあるため、生命保険の中では保険料が高い部類に入ります。更に、基本的に契約時の年齢が高いほど月々の保険料が高くなります。つまり子供の時に加入しておけば、払込期間中に支払わなければならない月々の保険料が安くなるのです。
成人したら契約者変更でプレゼントできる
終身保険のように保障が一生涯続くタイプの死亡保険に親を契約者、子供を被保険者として契約し、保険料を親が払っておいて子供が成長したら名義を子供に変更するということも可能です。保険料を払い終えた状態で子供にプレゼントできれば、子供は保険料を払わずに万が一の保障をつけてもらえたことになります。また、解約返戻金を受け取ることも可能です。ただし解約返戻金の金額によっては贈与税がかかるため注意が必要です。
死亡保険が不要と言われる理由
子供が死亡しても生活に困るわけではない
死亡保険は通常、被保険者が亡くなることで遺された家族の生活費や子供の教育費が足りなくなってしまう不安のある人がいざという時に備えて加入するものです。
一般的に子供が亡くなってしまうことで経済的に困窮してしまうケースはあまりないため、死亡保険に入る必要性は薄いと考えられるでしょう。
保険金額の設定に制限がある
15歳未満の子供にかけられる死亡保障の保険金額は合計で1,000万円までになります。これは過去に未成年者の生命保険金目的殺人が疑われる事案が発生したことにより、保険金詐欺から未成年を守る目的で保険法により定められました。
子供にプレゼントする場合、保険金や解約返戻金受取時に贈与税や相続税がかかる
満期まで親が保険料を支払っていた場合、子供にプレゼントする時には税金はかかりませんが、解約返戻金を受け取る際には親が支払っていた保険料に贈与税がかかります。
また、プレゼントをせずに保険金の受取人を子供に指定する場合は、誰が保険料を払っていたのか、誰が保険金を受け取るのか等の条件により、贈与税や相続税がかかります。
死亡保険金の場合
- 保険料の支払人と受取人が同一人物 →所得税
- 保険料の支払人と被保険者は同一だが受取人が異なる →相続税
- 保険料の支払人、被保険者、受取人がすべて異なる →贈与税
満期保険金の場合
- 支払人(契約者)と受取人が同一人物 →所得税
- 受取人が契約者以外 →贈与税
なお、保険契約時に定めた受取人以外が保険金を受け取った場合、受取人から受取人以外の人へ贈与したと見なされ贈与税の課税対象となります。
参考 国税庁「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき」、「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」
早期解約は元本割れする
多くの保険会社で取り扱われている終身保険は、早期解約すると返戻金が元本割れしてしまう商品が多いため契約前によく考える必要があります。
学資保険は入った方がいい?
学資保険のメリット
契約者が死亡すると以降の保険料払込が免除される
契約者である親が死亡してしまったり、所定の高度障害状態になってしまったりした場合は以降の保険料の払込が免除されます。そして本来の満期に合わせて満額の返戻金を受け取ることができます。終身保険に比べて保険料の払込期間が短いため、子供の大学入学にあわせてまとまったお金を確実に用意したいといったプランを立てるのであれば学資保険はおすすめです。
また、学資保険は保険契約の名義がほぼ固定になります。
- 契約者:保護者
- 被保険者:子供
- 受取人:契約者
契約者と受取人が同一人物のため、満期返戻金は所得税(一時所得)の対象となります。払込保険料の総額に比べて受け取った返戻金が50万円(特別控除枠)を超過していない限り課税されません。他の一時所得と合計して50万円を超過してしまった場合は課税対象となりますが、通常は課税されないので安心して受け取ることができます。
学資保険のデメリット
親が死亡後も満期を迎えるまで返戻金を受け取れない
終身保険との大きな違いが、終身保険は被保険者が死亡するとすぐに保険金を受け取れるのに対して、学資保険は満期(子供が18歳や20歳になるまで)を迎えるまで解約返戻金を受け取れないという点です。
ただし学資保険はあくまでも子供の教育費としてお金を準備することがメインなので、進学時にもっとも学費がかかる大学入学にあわせて満期返戻金を受け取れるのは理に適ったシステムと言えるでしょう。
返戻率がそれほど高くない
学資保険は、銀行に預けるよりもお得にお金を貯めつつ、親に万が一のことが起きた場合の保障もつけたい人向けの保険です。返戻率は終身保険ほど高くないため、払込保険料や所得税等を考慮せず、単純に最終的に受け取れる満期返戻金や解約金の総額だけで決めるのであれば終身保険のほうが良いでしょう。
学費の準備なら学資保険がおすすめ
子供に生命保険や死亡保険を加入させるのはメリットとデメリット両方ありますが、必要かどうかは各家庭の考え方と経済状況によって変わります。経済的にあまり余裕がなく、少しでも保険料を削りたいと考えている人は絶対にお得だと納得できない保険には入らないようにするというのも選択の一つになります。
子供を大学まで進学させたいと考えている家庭は、幼稚園から大学卒業までにいつ・どれぐらいのお金が必要なのか予め調べておく必要があります。そして教育資金を貯めるために、学資保険で毎月コツコツ貯め続けるというのも一つの方法です。
学資保険は定期預金よりも利率が高いことが多いので、お金を貯めるのが苦手だけれど確実にまとまったお金を準備したいと考える人にとってはお得な保険と言えるでしょう。これから子供の学費について考えたいという人は、まずは資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。