日本人の2人に1人はかかるとされている「がん」は生活習慣の蓄積が発症に大きく影響することが分かっています。「がん」とは、体内で異常な細胞が増殖し周囲の正常な細胞を侵害していく病気です。日々の生活習慣が異常な細胞の発生に影響を与えてしまうと考えれば生活習慣を改めることによってがんになるリスクも軽減する事ができると考えられます。がんの原因から考える生活習慣の改善点について紹介します。
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がんの原因上位は「喫煙」と「感染症」
日本人のがんにおける要因を「科学的根拠に基づくがん予防」(国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス)から紹介します。
がんになる原因の1位は「喫煙」が男性で1位、女性は「感染」が1位のようです。2位は男性が感染で女性が喫煙のため男女ともに多くの人のがん発症理由は喫煙と感染であることが分かります。
▼日本人におけるがんの要因
※棒グラフ中の項目「全体」は、複数のリスク要因が組み合わさってがんになった場合を調整しているため、各項目の単純合計値ではありません。
※全体の項目は、ここにあげている生活習慣や感染が原因でがんになったと考えられる割合です。
がんと一言でいってもさまざまながんがありますが、喫煙は多くのがんでがん発症の促進につながる可能性が大きいとされています。感染は、日本人のがんの原因の約20%を占める(「がんの発生要因」国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス)と推計されています。感染が女性のがん発症原因1位になっているのは、女性特有の「子宮頸がん」「膣がん」といったがんの原因がヒトパピローマウイルス(HPV)によるためということも大きいでしょう。
がん予防法(5+1)
がん予防で重要な気を付けたい5つの生活習慣を紹介します。5つ以外にもがんの原因で多い感染を加えて国立研究開発法人国立がん研究センターでは、「日本人のためのがん予防法(5+1)」として科学根拠に根ざしたがん予防法ガイドラインを発表しています。
1.禁煙
禁煙しよう
たばこを吸う人はたばこを吸わない人より1.5倍がんになるリスクが高くなります。
たばこが原因によるがんの代表例
- 鼻腔・副鼻腔がん
- 口腔・咽頭がん
- 喉頭がん
- 食道がん
- 肺がん
- 肝臓がん
- 胃がん
- 腎臓がん
- 子宮頸がん
- 膀胱がん
他人のたばこを避けよう
自分がたばこを吸っていなくても他人の吸っているたばこの煙を吸ってしまうことを受動喫煙と言います。たばこは吸っている自分だけに影響があるわけではなく周囲の人の健康にも影響を与えてしまいます。受動喫煙が原因でがんを発症したというケースは稀ですが、それでも男性で0.2%、女性で0.9%と受動喫煙が原因でがんになったという人もいます。家庭の中で喫煙者の家族がたばこを吸っていない家族に日々悪影響を与えているということもあります。たばこを吸う人は自分自身の健康と周囲の健康を考え配慮するようにしましょう。たばこを吸わない人は煙草の煙をなるべく吸わないように生活しましょう。
2.飲酒
飲酒は適量にとどめよう
「酒は百薬の長(適量の酒は良薬よりも効果がある)」といったことわざもありますが、アルコールは代謝されてアセトアルデヒドに代わります。あるコル飲料中のエタノールとアセトアルデヒドの両者に発がん性があり、このふたつの酵素の働きが弱い人は飲酒が原因でがんになるリスクが高いです。
お酒を飲むとアルコールは脳まで到達します。爽やかな気分になったり陽気になったりと緊張をほぐしてくれる効果があり、アルコールが悪玉(LDL)コレステロールの増加を抑え、善玉(HDL)コレステロールを増やしてくれる効果は心筋梗塞や狭心症などといった虚血性心臓病を予防する効果があると分かっています。しかし、お酒の大量摂取は中性脂肪が増加し、HDLコレステロールが低下し血圧上昇などの悪い影響となってしまうため飲酒は適量にするということを忘れずに楽しみましょう。
飲酒が原因によるがんの代表例
- 口腔・咽頭がん
- 喉頭がん
- 食道がん
- 扁平上皮がん
- 肝臓がん
- 大腸がん
- 乳がん
飲酒の目安
お酒の種類 | アルコール度数 | 単位 | 量 |
---|---|---|---|
ビール | 5度 | 中びん1本 | 500ml |
日本酒 | 15度 | 1合 | 180ml |
焼酎 | 25度 | 0.6合 | 約110ml |
ウイスキー | 43度 | ダブル1杯 | 60ml |
ワイン | 14度 | 1/4本 | 約180ml |
缶チューハイ | 5度 | 1.5缶 | 約520ml |
3.食生活
健康的な食事とは、一汁三菜でバランスの取れた食事です。
がん予防のための食事
- 植物性食品を中心に多くの種類を食べる
- 野菜や果物をたくさん食べる
- 多種類の穀物、豆類、根菜類を食べる
- 肉類は1日80g以下
- 脂肪は動物性脂肪食品(飽和脂肪酸)を控え、植物性脂肪から適度にとる
- 食塩は成人で1日6g以下
- アルコールは控えめ
- 食品は新鮮なうちに食べる
- 食品添加物や残留農薬に気を付ける
- 焦げた食品は控える
食塩・塩蔵食品の摂取は最小限にする
高塩分が高血圧を招き、循環器疾患(脳卒中・心筋梗塞)のリスクを高くすることや、塩分や塩蔵食品が胃がんのリスクを高くすることが分かっています。塩分は循環器疾患のリスクを高め、塩蔵食品は、何らかのがんのリスクをたかめるという研究結果(「塩分・塩蔵食品と、がん・循環器疾患の関連について」国立研究開発法人国立がん研究センター)があったりもします。
塩分・塩蔵食品の摂取を控え、1日の食塩摂取量内で納めるような食生活を目指しましょう。
塩蔵食品とは
魚介類など腐敗しやすい食品を食塩に漬けて細菌を繁殖させにくくし、長期保存できるように加工された食品のこと。
塩蔵品に含まれる塩分量例
食品名 | 重量(目安) | 食塩量 |
---|---|---|
塩サバ | 80g(1切れ) | 1.4g |
めざし | 30g(2尾) | 0.8g |
たらこ | 20g(中1/2腹) | 0.9g |
いくら | 17g(大さじ1杯) | 0.4g |
いか塩辛 | 20g(大さじ1杯) | 1.4g |
野菜や果物を食べる
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを含む野菜、果物、植物性油脂のほかに機能性成分(ポリフェノール、カロテノイドなど)を含む食品にはがんの予防効果があるとされています。また、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンの摂取量が多い人は肺がんの発症リスクが低く、ビタミンD、カルシウム、葉酸(ようさん:ビタミンB群の一種)等の摂取が大腸がんのリスクを下げるという報告もあります。
がん予防に効果のある食品群
熱い飲み物や食べ物・刺激物は控える
熱い飲み物や食べ物は食道炎や食道がんのリスクを高めるという報告があります。刺激が炎症を引き起こしがんを誘発してしまう可能性があるためです。また、辛い食べ物など刺激が強い食べ物はものを大量に摂取しても粘膜が傷つきやすくなるとされています。カプサイシンを主成分とする辛い食べ物は胃が適度に刺激され食欲増進に繋がりますが、大量摂取は炎症を誘導しがんを引き起こす可能性が高くなるため適度な量の摂取にとどめるとよいでしょう。
4.運動
運動の量が多い人は少ない者と比較してがんやその他の疾患リスクが低いことが報告されています。
筋トレの効果
厚生労働省による「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 (案)」によると筋トレを行っている人は行っていない人に比べて全がん、肺がんやその他の疾患の発症リスクが10~17%低いという研究結果があります。また、筋トレを週2~3日実施することで、そうした健康増進効果が得られるとされています。わずかな時間でも筋トレは生活習慣病の発症や死亡リスクの低減につながる可能性があるとされていますが、筋トレをやりすぎると逆効果となってしまうケースもありとされているので適度な筋トレに効果が期待できると認識しておきましょう。
3メッツ以上の身体活動
身体活動・運動では、座りすぎを避け、今よりも少しでも多く身体を動かすことを基本とした日常生活を送れるように努めましょう。日常生活でもる家事・労働・通勤・通学などは体を動かす活動を伴っています。3メッツ以上の身体活動を意識して日々の活動を行うと健康に繋がります。
運動量の目安
身体活動 | 運動例 | 頻度 | |
---|---|---|---|
高齢者 | 3メッツ以上の強度の身体活動を1日40分以上 | 有酸素運動・筋力トレーニング・バランス運動・柔軟運動など | 週3日以上 |
成人 | 3メッツ以上の強度の身体活動を1日60分以上 | 息が弾み汗をかく程度以上の運動 | 週60分以上 |
メッツとは
身体活動の強度を表し、安静座位時を1メッツとし、その何倍のエネルギーを消費するかという指標(エネルギー消費量(kcal)=メッツ×時間(h)×体重(kg))。
3メッツ以上の活動/運動例
メッツ | 生活活動の例 |
---|---|
3.0 | 普通歩行(平地、67m/分、犬を連れて)、家財道具の片付け、台所の手伝い |
3.3 | フロア掃き、掃除機 |
3.5 | 歩行(平地、75~85m/分、ほどほどの速さ、散歩など) 階段を下りる、床磨き、風呂掃除、庭の草むしり |
4.0 | 自転車に乗る(≒16km/時未満、通勤)、階段を上る(ゆっくり)、動物と遊ぶ(歩く/走る、中強度) |
4.3 | やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)、苗木の植栽 など |
4.5 | 耕作、家の修繕 |
5.0 | かなり速歩(平地、速く=107m/分)、動物と遊ぶ(歩く/走る、活発に) |
5.5 | シャベルで土や泥をすくう |
5.8 | こどもと遊ぶ(歩く/走る、活発に)、家具・家財道具の移動・運搬 |
6.0 | スコップで雪かきをする |
7.8 | 農作業(干し草をまとめる、納屋の掃除) |
8.0 | 運搬(重い荷物) |
8.3 | 荷物を上の階へ運ぶ |
8.8 | 階段を上る(速く) |
メッツ | 運動の例 |
3.0 | ボウリング、バレーボール、プラティス、太極拳 |
3.5 | 体操(家で、軽・中等度)、ゴルフ(手引きカートを使って) |
3.8 | ほどほどの強度で行う筋トレ(腕立て伏せ・腹筋運動) |
4.0 | 卓球、パワーヨガ、ラジオ体操第1 |
4.3 | やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)、ゴルフ(クラブを担いで運ぶ) |
4.5 | テニス(ダブルス) 、水中歩行(中等度)、ラジオ体操第2 |
4.8 | 水泳(ゆっくりとした背泳) |
5.0 | かなり速歩(平地、速く=107m/分)、野球、ソフトボール、サーフィン、、筋トレ(スクワット) |
5.3 | 水泳(ゆっくりとした平泳ぎ) 、スキー、アクアビクス |
5.5 | バドミントン |
6.0 | ゆっくりとしたジョギング、バスケット ボール、水泳(のんびり泳ぐ) |
6.5 | 山を登る(0~4.1kg の荷物を持って) |
6.8 | 自転車エルゴメーター(90~100 ワット) |
7.0 | ジョギング、サッカー、スキー、スケート、ハンドボール |
7.3 | エアロビクス、テニス(シングルス)、山を登る(約 4.5~9.0kg の荷物を持って) |
8.0 | サイクリング(約 20km/時)、激しい強度で行う筋トレ(腕立て伏せ・腹筋運動) |
8.3 | ランニング(134m/分)、水泳(クロール、ふつうの速さ、46m/分未満) |
9.0 | ランニング(139m/分) |
9.8 | ランニング(161m/分) |
10.0 | 水泳(クロール、速い、69m/分) |
10.3 | 武道・武術(柔道、柔術、空手、キックボクシング、テコンドー) |
11.0 | ランニング(188m/分)、自転車エルゴメーター(161~200 ワット) |
厚生労働省による「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 (案)」 より
5.適正体重
適正体重でがん予防
「肥満度(BMI)とがん全体の発生率との関係について」(国立研究開発法人国立がん研究センター)によると特に男性において痩せていても太っていてもがんの発症率は高く太っている人よりも痩せている人の方ががんになりやすく、死亡率も高いという研究結果が出ています。
食生活の乱れが肥満となり、肥満はさまざまな病気の原因になります。そのため、メタボリック・シンドロームでがんのリスクが高くなることは理解ができます。しかし、肥満より体重が少ないことの方が発がんのリスクは高くなると言われています。それは、体重が減ることで自己免疫力が下がりがん発症リスクが高くなるためです。痩せているとがん治療後の予後もあまり経過が良くない傾向があり死亡率も高いという結果になっています。
適正体重の維持には上記で紹介している日々の食生活や運動が大切です。健康を維持するために1~4の生活習慣の改善を心掛け適正体重でがんにならない体つくりを行っていきましょう。
肥満が原因によるがんの代表例
- 食道がん
- 大腸がん
- 胆管がん
- すい臓がん
- 腎臓がん
- 卵巣がん
- 乳がん
BMI計算式
- BMI = 体重kg ÷ (身長m)2
- 適正体重 = (身長m)2 ×22
日本肥満学会の判定基準(成人)
BMI値 | 判定 |
---|---|
18.5未満 | 低体重(痩せ型) |
18.5〜25未満 | 普通体重 |
25〜30未満 | 肥満(1度) |
30〜35未満 | 肥満(2度) |
35〜40未満 | 肥満(3度) |
40以上 | 肥満(4度) |
+1.感染
「感染」もがんの主要な原因である
ウイルス(細菌)の感染は男性でがんの原因2位、女性は1位です。私たちは、日々、細胞分裂を行い細胞の増殖を行っています。古くなった細胞は自然に死滅していきます。「がん」とは、体内で異常な細胞が増殖し周囲の正常な細胞を侵害していく病気だと冒頭で紹介しました。ウイルスは体内で細胞の中で増殖していきます。ウイルスが体内で細胞と増殖するということは細胞の増殖に影響を与えてしまうことがあり、正常な細胞がウイルスによって異常細胞へ変化してしまうことがあるのです。
がんの原因となる主なウイルス・細菌
ウイルス・細菌 | がんの種類 |
---|---|
B型・C型肝炎ウイルス | 肝細胞がん |
ヘリコバクターピロリ菌 | 胃がん |
ヒトパピローマウイルス(HPV) | 子宮頸がん |
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1) | 成人T細胞白血病リンパ腫 |
EBウイルス | 悪性リンパ腫、上咽喉癌、平滑筋肉腫、唾液腺癌 |
ヘルペスウイルス8型 | カポジ肉腫、原発性滲出液性リンパ腫、キャッスルマン病 |
肝吸虫 | 胆管細胞癌がん |
ビルハイツ住血吸虫 | 膀胱がん |
ポイント
がんは「がん保険」で備える
日本人の2人に1人はかかるとされている「がん」ですから、がん予防を行っていてもがんになってしまう人の割合は高いでしょう。
がん治療に必要な費用も入院治療の場合、外来治療の場合、治療方法、がんの種類、がんのステージなどによって異なります。標準的な治療を選択する場合はほとんど公的医療保険が適用され、予想以上に治療費が高額になっても高額療養費制度を活用する事ができます。
しかし、がんの治療にかかる費用には、公的医療保険が適用されないものもあります。例えば、通院・入院時の交通費や入院時の差額ベッド代、食費、日用品、医療用ウィッグ、家族の交通費・宿泊費、お見舞いのお返しなどの費用です。開発中の試験的な治療(先進治療など)は公的医療保険の適用外となり、高額療養費制度が適用されるのも公的医療保険の範囲内の治療費に対してです。公的医療保険が適用されない費用は、すべて自己負担となりますし、退院後も治療のための通院は続きます。週1回の通院が1年間続いた場合、交通費もかなりのものになります。こうした出費をカバーするのに役立つのががん保険です。
がん治療による入院が必要になれば入院による収入減も心配です。貯蓄が多くあり心配ないという人は必要ありませんが、こうした費用負担に家計が耐えられないという人はがん保険などで備えることを検討しましょう。
まとめ
私たちの体は日々細胞分裂を繰り返していますが、活性酸素などの毒性のある物質によって細胞が傷つけられたりすることがあります。免疫力が低下している時では傷つけられた細胞へのダメージが蓄積しがん化した細胞が増えていくと塊となってしまうのです。がん細胞ができるきっかけは大気汚染や紫外線など他にも複数ありますが、日常生活を振り返り規則正しい生活習慣を送ることで免疫力を高め、異常な細胞を増殖させない強い体を作ることができます。生活習慣の改善ががんに対する自己防衛になるため、がんになりにくい体作りを目指しましょう。
がんになりにくい生活習慣を心掛けていても、がんになってしまうことがあります。そうした時にも費用の心配をすることなく治療に専念するためにがん保険があると安心かもしれません。