近年発達障害と診断される人が増えており、厚生労働省の「生活のしづらさなどに関する調査」によると、令和4年では87万2千人が発達障害と診断されています。平成28年では48万1千人でしたが、6年前に比べて40万人近く増加しています。発達障害と診断された場合、生命保険や医療保険に入ることはできるのでしょうか?
目次
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発達障害は生命保険に入りにくい?
発達障害と診断されても、症状の程度によっては保険に加入できる可能性はあります。しかし、通院の必要があったり、コンサータやリスパダール等の薬を服用したりしている場合は一般的な生命保険や医療保険への加入は難しくなってしまいます。
発達障害は病気ではありませんが、二次障害としてうつ病や睡眠障害等を発症することがあります。うつ病などの精神疾患は治療が難しく治療期間も長期化しやすいことから、保険加入の判断が厳しくなってしまうのです。
また、二次障害のリスクがあると健康な人と比べて保険を使う可能性が高くなるため、健康な人と同じ条件・保険料で加入できると契約者間で不公平が生じてしまいます。それを防ぐために、発達障害と診断された場合や持病がある場合は保険に加入しづらくなっているのです。
発達障害とは
発達障害は生まれつきの脳機能の発達に偏りがあるため人との関わりや社会生活に問題や困難が生じる状態をいいます。発達障害の種類には以下の3つの種類があります。
注意欠如・多動症(ADHD)
多動性や衝動性、不注意が主な特徴で、落ち着きがない、忘れ物が多い、会話の流れや雰囲気を気にせず発言するなどの特性があります。
自閉スペクトラム症(ASD)
対人関係の困難やこだわり行動が主な特徴で、人とのコミュニケーションが苦手、物事の順番や興味・関心の極端なこだわりなどの特性があります。
学習障害(LD)/限局性学習障害(SLD)
知的発達な遅れはないものの、「読む」「書く」「話す」「聞く」「計算・推測」のうち特定の分野に困難がある状態です。
ひとつの特性が表れる人もいれば、いくつかの特性が重なって表れる人もいます。また、特性の程度も人それぞれのため、生活の中での困りごとも人によって異なります。特性による困りごとがストレスになり、うつ病や双極性障害、睡眠障害、不安障害、依存症などの二次障害を引き起こすこともあります。発達障害のある人は必ず二次障害が起こる訳ではありませんが、困りごとへの対処法や周囲への理解を得ながら発達障害に付き合っていくことが大事になります。
グレーゾーンの場合は?
発達障害の特性や程度には個人差があり、診断基準を満たさない場合はグレーゾーンと呼ばれています。グレーゾーンは診断名ではないものの、特性がないという訳ではありません。診断がつかない分、日常の困りごとに対して理解や支援が得られにくいケースもあり、二次障害を発症することも少なからずあります。そのため、グレーゾーンであっても通院歴や現在の健康状態などを告知する必要があります。
発達障害を隠すのはNG!
発達障害やグレーゾーンでも、もし通院歴などを隠して申し込むと告知義務違反となります。告知義務違反をしていたことが分かると、保険金が支払われない場合や契約が解除される場合がありますので、絶対にやめましょう。契約が解除されるとこれまで払ってきた保険料も返ってきません。必ず正しい内容の告知を行うようにしましょう。
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発達障害でも入れる保険は?
もし一般的な生命保険や医療保険への加入を断られてしまっても、まだ諦める必要はありません。加入条件が緩やかな引受基準緩和型医療保険や、がんに特化したがん保険なら加入できる可能性があります。
引受基準緩和型医療保険
引受基準緩和型医療保険とは、保険会社が契約を引き受ける基準を緩和した医療保険です。健康状態に関する告知事項が少なく、3~5個程度の「はい」「いいえ」でこたえられる質問となっています。内容は保険会社によって異なりますが、以下のような質問にすべて「いいえ」と答えられたら申し込むことができます。
- 現在入院中ですか?
- 過去3か月以内に入院や手術、検査をすすめられたことはありますか?
- 過去2年以内に病気やケガで入院したことや手術をしたことはありますか?
- 過去5年以内にがん(悪性新生物)で入院または手術をしたことはありますか?
※あくまでもイメージです。告知項目は保険会社によって異なります。
引受基準緩和型医療保険では持病の悪化や再発等で入院・手術した場合でも保障されます。また、一般的な医療保険を断られたり条件が付いたりした方でも問題なく加入できる可能性があります。
契約を引き受ける基準は保険会社によって異なるので、ある会社に加入を断られたとしても、他の会社では加入できることもあります。複数の保険会社の商品を比べてみるのが大事なポイントです。
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引受基準緩和型のデメリット
発達障害と診断されても入れる可能性のある引受基準緩和型医療保険ですが、一般の医療保険と比べて以下のようなデメリットがあります。
保険料が割高
健康に関する告知が緩やかな分、一般の医療保険と比べて保険料が高くなっています。持病がある場合、健康な方と比べて入院や手術をする確率が高いので、保険金を請求する確率も高くなるからです。
一定期間は給付金が半分になる商品もある
加入後1年間などの期間は、持病と関係がない病気・ケガで入院や手術をしても給付金が50%に削減される商品もあります。しかし最近ではこの保障が削減される期間がなく、初めから100%保障される商品も出てきています。
特約が少ない
一般の医療保険と比べて特約の種類が少ないことがあるのもデメリットの一つです。また、特約が用意されていても保険料が高く設定されていることもあります。
がん保険
医療保険に加入できなくてもがん保険になら加入できる場合もあります。がん保険はがんの保障に特化しているので、がんに関するリスクが高くなければ加入できる可能性も高くなります。がんになると入院や通院で費用がかさみ医療費が高額になる場合もあるため、せめてがん治療には備えておきたいという場合は検討してみるのがよいでしょう。
がん保険でがんのリスクに備える
子どもが発達障害でも入れる保険は?
我が子に発達障害がある場合でも、上にあげたような保険に加入できる可能性があります。なお、多くの自治体には医療費の助成があるため、小さいうちは医療費の負担がかからないこともあります。医療費に備える目的で加入するのであれば、お住まいの地域の医療費助成制度等を確認したうえで検討することをおすすめします。その他にもお子さんのいるご家庭に向いている保険がありますので、家庭の状況に合わせてその保険が必要かどうかを確認してみましょう。
学資保険
学資保険は貯蓄性のある保険で、主に子どもの教育費を準備する目的で使われています。一般的に親が契約者となることが多いため、子どもに発達障害があっても加入できるケースが多いので、我が子の将来の教育費に備えたい場合は検討してみましょう。
ただし、特約として医療保障を付ける場合は子どもの健康状態を告知する必要がありますので注意が必要です。医療特約を付けると子どもの告知事項が追加となるほか、返戻率が下がることが多いので基本的には付けない方がいいでしょう。
近年では、受験時や入学後に発達障害に関する配慮を受けられる学校も増えてきています。いずれ社会人として自立する我が子に合う環境を見つけるために、教育資金を用意するに越したことはありません。もし大学や専門学校等に進学しない場合でも、我が子の将来のために役立つ資金となるはずです。
学資保険で教育資金の準備を始める
個人賠償責任保険
個人賠償責任保険とは、日常生活において自分や家族が他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりして法律上の賠償責任を負った場合の損害を補償する保険です。親のどちらかが加入していれば、配偶者や子どもも含め一緒に住んでいる家族もカバーされます。他人の家の窓ガラスを誤って割ってしまった、自転車で事故を起こした場合にも補償されるため、発達障害の有無にかかわらず子どもがいるご家庭は加入しておくとよいでしょう。
個人賠償責任保険単体でも加入できますが、自動車保険や火災保険の特約として付けられるほか、クレジットカードのオプションでも加入できます。なお、生命保険ではないため健康状態の告知はいりません。
まとめ
発達障害と診断された場合、一般的な生命保険や医療保険への加入は難しくなります。しかし、引受基準緩和型医療保険やがん保険であれば通院や服薬をしていても加入できる可能性があります。告知事項は保険会社によって異なるため、A社では断られてもB社では加入できることがあります。保険を検討する際は複数の保険会社の商品を比較してみましょう。