マイナス金利の影響から、最近外貨建て保険の販売数が増加しています。外貨建ての終身保険を貯蓄目的で契約して予定通りに解約する場合や予定外のことで早期解約する場合、何か注意しておいた方がよいことはあるのでしょうか。
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為替リスクに注意
外貨建て終身保険を予定通り解約する場合でも予定よりも早く解約する場合でも為替リスクに注意が必要です。外貨建て保険の解約返戻金は外貨で支払われるので、日本円での受取額は為替相場の変動によって変わります。外貨から日本円に換えるときに円高であれば日本円での受取額は減少し、反対に円安であれば増加します。例えば、解約返戻金が3万ドルの場合、1ドル=90円と円高のときに日本円に換えると270万円となります。一方で、1ドル=120円と円安のときに日本円に換えると360万円になります。
保険商品によって外貨での受取と日本円での受取が選べるものと日本円での受取しかできないものがあります。日本円でしか受け取れないものの場合、解約時のレートで保険会社の方で日本円に換えて解約返戻金が支払われるので、円高のときに解約すると受け取れる金額が思っていたよりも少ない、ということになりかねません。
早期解約は手数料・諸費用に注意
早期解約する場合、手数料・諸費用で受け取れる金額が思っていたよりも少なくなる可能性があります。特に、契約してから10年以内に解約する場合はもともとの返戻率が高くないのに加えて解約控除費用がかかります。外貨建て保険は日本円建ての保険よりも利率がよいですが、日本円建ての保険にはない手数料もかかります。早期に解約すると手数料の影響が大きくなり損をする可能性も高くなるので、契約時には早期に解約してしまうことがないようにしっかりと検討することが大切です。
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解約返戻金の税金はどうなる?
外貨建て保険であっても通常の日本円建ての保険と同じように、解約返戻金によって利益が生じた場合は所得税の課税対象となります。解約返戻金を一括で受け取る場合は一時所得、年金形式で受け取る場合は雑所得となります。
外貨建て保険の保険料を日本円で支払い、解約返戻金を日本円で受け取る場合は実際に払い込んだ金額と受け取った金額をもとに税金額が決定します。
外貨で保険料を支払ったり外貨で解約返戻金を受け取ったりした場合でも、確定申告や納税は日本円に換算して行うこととなります。日本円への換算レートは税法に定められたものを使います。なお、一般的には日本円に換算した金額が保険会社から通知されます。
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外貨建て保険は解約時の戦略が大切
外貨建て保険の解約時に日本円で受け取れる金額は為替相場によって大きく変わります。そのため、外貨建て保険で貯蓄をするという場合は出口戦略が重要となります。
特に、解約する時期に円高であった場合は日本円での受取額が減少してしまうので、円安になるまで解約せずにいる、外貨で解約返戻金を受け取って円安のときに円転する、解約時に円高が予想されるのであれば予定より早めて円高になる前に解約するなどの戦略が大切となります。
契約する保険によって外貨での受取ができないなど出口戦略が制限される場合があります。貯蓄目的で外貨建て保険を契約するのであれば、契約の検討のタイミングから解約時のことを想定して検討するようにしましょう。そのためにも各社の商品の資料請求などをしてしっかりと情報収集することが大切です。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。