外貨建て保険のコラム

外貨建て保険でも生命保険料控除は受けられる?

投稿日:2019年9月20日 更新日:

日本には条件を満たす生命保険の保険料を支払った場合に一定の金額の所得控除を受けられる制度があります。近年、マイナス金利の影響から外貨建ての保険が多く販売されていますが、外貨建ての保険でも生命保険料控除は受けられるのでしょうか?

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生命保険料控除とは

生命保険料控除とは、条件を満たす生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に一定の金額の所得控除を受けられる制度です。契約した保険会社から毎年10月ごろに送付される生命保険料控除証明書を年末調整や確定申告の際に添付して申告することで所得税・住民税を安くすることができます。対象は1月1日~12月31日の1年間に払い込んだ保険料です。

所得控除される金額は年間の支払保険料によって変わります。生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料のそれぞれについて以下の表に当てはめて計算した金額が控除されます(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等の場合)。

所得税 住民税
年間の支払保険料等 控除額 年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額 12,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超
40,000円以下
支払保険料等×1/2
+10,000円
12,000円超
32,000円以下
支払保険料等×1/2
+6,000円
40,000円超
80,000円以下
支払保険料等×1/4
+20,000円
32,000円超
56,000円以下
支払保険料等×1/4
+14,000円
80,000円超 一律40,000円 56,000円超 一律28,000円

なお、控除額そのままの金額の税金が安くなるわけではありません。あくまでも所得税や住民税の計算に用いる所得が控除額の分だけ減るのです。例えば所得税率と住民税率がともに10%で年間の支払保険料等が8万円以上の場合、所得税額は控除額の10%の4,000円、住民税額は控除額の10%の2,800円安くなります。

なお、どのような条件の保険契約でも生命保険料控除を受けられるわけではなく、一定の条件を満たす契約である必要があります。条件については国税庁のサイトをご確認ください。

外貨建て保険でも対象となる?

結論から先に書くと、外貨建て保険でも日本円建ての保険と同じように生命保険料控除の対象となります。所得控除を受けられる条件や控除額も日本円建てのものと変わりません。

ただし外貨建て保険であるが故の注意点もあります。外貨建て保険で生命保険料控除を受ける場合、外貨を日本円に換算して申告する必要があります。一般には保険会社から日本円換算された金額で証明書が届くので自分で計算する必要はないのですが、10月ごろに届く証明書の金額では10月~12月の保険料の為替レートが確定しておらず正確な金額はわかりません。

外貨建て保険の控除証明書の送付に関する対応は保険会社によって異なり、10月に予定額を送り、12月の保険料が確定後に控除証明書を送るという会社や10月に一度控除証明書を送り、その時点での証明額が8万円に満たない場合は確定後に改めて控除証明書が送付されるという会社などがあります。年間の保険料が8万円に満たない場合などでは提出する書類を取り違えないように注意が必要です。

一時払と全期前納の違い

まとまった資金の運用目的で外貨建て保険を検討する場合、一時払を勧められることがあります。間違いやすい全期前納との生命保険料控除の扱いの違いについても確認しておきましょう。

まずは一時払と全期前納の保険料の支払方法の違いについて説明します。この2つは契約時に全保険期間分の保険料を用意するという点では同じですが、保険料の支払という面では違いがあります。一時払は全保険期間分の保険料を1回で支払う方法ですが、全期前納は保険会社へ払った保険料は預けている状態となります。そして、年1回あるいは毎月の支払期日に預けているお金から保険料が支払われるのです。

この支払方法の違いによって生命保険料控除にも影響があります。一時払の場合は初年度に一括して保険料を支払うので生命保険料控除も初年度しか受けることができません。対して全期前納の場合、保険会社に預けたお金から毎年保険料を支払っていく形になるので、毎年生命保険料控除の対象となります。

まとめ

外貨建て保険であっても通常の日本円建ての保険と同じように生命保険料控除の対象となります。ただし、10月に送付される控除証明書の段階では月払などの場合は日本円換算の保険料が確定していません。特に10月時点で証明額が8万円に達していない場合は注意が必要です。その場合、金額確定後に控除証明書が改めて送られてくるので書類を取り違えないようにしましょう。


堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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「保険(Insurance)」とインターネット「ウェブ(Web)」の融合から、サイト名『インズウェブ(InsWeb)』が誕生しました。自動車保険の見積もりを中心として2000年からサービスを提供しています。現在の運営会社はSBIホールディングス株式会社となり、公正かつ中立的な立場で自動車保険のみならず生命保険に関する様々なお役立ち情報も提供しています。

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