日本の金利が低い状態が続いていることから外貨建て保険への加入が増えています。しかし、外貨建て保険は販売する金融機関のリスク説明が十分でないという批判を受けることもあります。保険という金融商品である以上、必ず何らかのリスクは存在するのですが、外貨建て保険には一体どのようなリスクがあるのでしょうか。
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外貨建て保険とは
外貨建て保険とは、米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨で保険料を払い込み、外貨で保険金や解約返戻金などを受け取る保険です。日本よりも金利が高い傾向にある諸外国の通貨で保険料を運用することで、通常の日本円建ての保険よりも高い利回りを実現しやすくなります。運用効率が良いというメリットがありますが、外貨で運用するため日本円建ての保険にはない為替関連のリスクもあります。
外貨建て保険にあるリスク
外貨建て保険は保険である以上、保険会社の破たんリスクやインフレリスクなど円建ての保険にあるリスクが存在しています。また、それ以外にも外貨建てゆえに発生するリスクもあります。ここでは、主に外貨建て保険のリスクとして語られるものを紹介します。
為替リスク
昨日は1ドル=110円だったのに、今日は1ドル=109.5円になっているなど、為替相場は日々変動しています。為替相場の変動によって影響を受けることを為替リスクといいます。外貨建て保険での為替リスクは日本円で保険料を支払うときや日本円で保険金等を受け取るときなどに発生します。
保険料を支払うとき
日本円で保険料を支払う場合、為替相場の変動によって保険料の支払額が変わります。例えば、毎月の保険料が100ドルである場合、1ドル=110円の時の保険料は日本円換算で11,000円ですが、1ドル=115円となった時には日本円換算の保険料は11,500円となります。円高が進んだ場合は日本円換算の保険料は安くなりますが、円安になった場合は日本円換算の保険料は高くなります。
保険金等を受け取るとき
日本円で保険金や解約返戻金などを受け取る場合、為替相場の変動によって受け取れる保険金等の金額は変わります。例えば、10万ドルの保険金を受け取れるとき、1ドル=110円の場合の日本円換算の保険金は1100万円ですが、1ドル=105円の場合の日本円換算の保険金は1050万円です。円安になった場合は日本円換算の受取額が増えますが、円高となった場合には日本円換算の受取額は減少します。
諸費用がかかる
外貨建て保険では払い込んだ保険料から様々な諸費用が差し引かれます。保険契約の締結・維持、死亡保障などに係る費用や10年以内などに解約した場合の解約控除費用、年金で受け取る場合の管理費用などです。また、日本円で保険料を払ったり保険金等を受け取ったりした場合は為替手数料(外貨との両替にかかる手数料)がかかります。日本円建ての保険よりも様々な費用が多くかかっていて、途中解約した場合の元本割れの期間が長かったり元本を割れる金額が大きかったりします。
「元本保証」には要注意
外貨建て保険の勧誘を受ける際に「元本保証」だと勘違いするような説明を受けるケースもあります。しかし、外貨建て保険には為替リスクがあるので、日本円換算では元本を割る可能性がある保険商品です。窓口などで「元本保証」であるようなことを説明されたとしても、それはあくまでも米ドルや豪ドルなどの外貨ベースでの「元本保証」です。運用していた通貨に対して円高が進めば日本円換算での保険金・解約返戻金等は元本割れする可能性があることをしっかりと認識しておきましょう。
まとめ
外貨建て保険は通常の日本円建ての保険と比べて利回りが良く、超低金利状態が続く近年では人気を集めています。しかし、外貨建て保険は為替相場の変動によって元本割れする可能性も思っていたよりも受取額が増える可能性もあるリスク商品です。「保険だからリスクが少ない」と短絡的に考えるのではなく、リスクについてしっかりと理解して加入を検討するようにしましょう。
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著者情報
堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。