外貨建て保険のコラム

円高・円安になった場合の外貨建て保険への影響は?

投稿日:2019年6月3日 更新日:

超低金利の日本円建てでは「保険でお金を増やす」ということが難しくなっているため、外貨建ての保険が注目を集めています。外貨建て保険は外貨で保険料を支払い、外貨で保険金・解約返戻金を受け取るので、為替相場の変動で円高・円安となった場合の影響も考える必要があります。一体どのような影響があるのでしょうか。

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外貨建て保険とは

外貨建て保険とは、外貨で保険料を支払い、外貨で保険金や解約返戻金などを受け取る保険商品です。日本が超低金利の状況化のため、日本よりも金利が高い諸外国の通貨で運用することで高い利回りを実現しやすくなります。ただし、日本円で保険料を払い込むときや保険金を受け取るときに為替手数料(日本円と外貨を両替する際の手数料)がかかります。また、為替相場の変動によって保険料や保険金の額も変動します。

円高・円安とは

日本円の価値が外国の通貨と比べて相対的に高くなることを円高、逆に低くなることを円安といいます。具体例として米ドルで説明します。1ドル=110円から1ドル=100円になった場合は、同じ1ドルを手に入れるのに110円必要だったのが100円で済むようになった、つまり、日本円の価値が高くなったので「円高」です。逆に、1ドル=110円から1ドル=120円になった場合は、1ドルを手に入れるのに120円かかるようになった、つまり、円の価値が低くなったので「円安」です。

円高になると海外のものを日本円換算で安く買えるので輸入関連産業は恩恵を受けます。一方で、海外の人から見ると日本のものを買うのに現地の通貨で多くのお金がかかるようになるので輸出関連産業は打撃を受けます。円安の場合はその逆で、輸出関連業者が恩恵を受け、輸入関連業者が打撃を受けます。

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契約時から円高・円安になった場合の外貨建て保険への影響

外貨建て保険を契約したときよりも為替相場が円高・円安に進んだ場合の影響を紹介します。主に影響を受けるのは保険料の支払と保険金・解約返戻金などの受取です。

保険料の支払い

外貨建て保険は外貨で保険料を支払うので日本円換算の保険料は為替相場の変動によって変わることとなります。為替相場が円高に進めば支払う保険料は安く、円安に進めば支払う保険料は高くなります。

例えば、毎月の保険料が100ドルだった場合、1ドル=110円から1ドル=100円と円高になると、日本円換算の保険料は11,000円から10,000円と安くなります。一方で、1ドル=110円から1ドル=120円と円安になると、日本円換算の保険料は11,000円から12,000円と高くなります。

保険料を毎月や毎年のように支払う場合は、保険期間が長くなれば為替相場の変動による影響は平準化されていきますが、全保険期間の保険料をまとめて支払う一時払いのような場合は為替相場の影響を大きく受けます。この場合はなるべく円高の時に加入するようにしましょう。

保険金・解約返戻金などの受取

保険金・解約返戻金なども為替相場の変動の影響を受けます。為替相場が円高に進めば日本円換算の保険金等は少なく、円安に進めば日本円換算の保険金等は多くなります。

例えば、保険金が10万ドルだった場合、1ドル=110円から1ドル=100円と円高に進むと、保険金は日本円換算で1100万円から1000万円へと減ってしまいます。逆に、1ドル=110円から1ドル=120円と円安に進むと、保険金は日本円換算で1100万円から1200万円と増加します。

保険金を年金形式で受け取る場合は為替相場の変動の影響は平準化されますが、まとめて受け取る場合は円安の時に受け取った方が受取額が大きくなります。しかし、死亡保険金などの場合は円安の時を狙って受け取るというわけにはいきませんので、円高時に亡くなって家族がその後の生活に苦労したということがないように注意が必要です。

外貨での受取や外貨での据え置きができればリスクが軽減

上で説明したとおり、外貨建て保険の保険金受取額は為替相場の影響を受けます。保険金受け取りの際に円高になっていると損をしてしまいます。しかし、外貨建て保険の中には外貨で保険金を受け取ったり、保険金を外貨のまま据え置いたりできるものもあります。この場合、円高であれば外貨で受け取ったり据え置いたりしておき、円安になってから日本円に換えて受け取ることで為替リスクを軽減することができます。外貨建て保険を検討する場合は、外貨での受取や外貨での据え置きができるのか確認しておくようにしましょう。

まとめ

外貨建て保険は保険料の支払い・保険金等の受取を外貨で行うので為替相場の変動の影響を受けます。円高になれば日本円換算の保険料の支払額や保険金等の受取額が減り、円安になれば日本円換算の保険料の支払額や保険金等の受取額が増えます。外貨での保険金の受取や据え置きができる保険商品であれば、保険金受け取りの際の為替リスクを軽減することができます。

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堀田健太

著者情報

堀田 健太
東京大学経済学部金融学科を卒業後、2015年にSBIホールディングス株式会社に入社、インズウェブ事業部に配属。以後、一貫して保険に関する業務にかかわる。年間で100本近くの保険に関するコンテンツを制作中。

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